『みんなの元保護犬物語』は、里親になられた方々の「リアルストーリー集」です。
「里親になるって実際どんな感じなの?」っと疑問をお持ちの方に、「うちの場合はこんな感じだったよ」っと回答いただきました。100匹いれば、そこには100通りの物語があります。先輩方の経験を、里親になることを考える参考にしていただけたら幸いです。⇨ 里親様の体験談、募集中です!
元保護犬の福くんです。
名前:福くん
犬種:ミニチュアダックス
年齢:10歳くらい
現在、お迎えしてから:半年くらい
福くん、パパの膝がとーっても気持ち良いワンね。とろけて天使になってるワン!
お迎え前について
※アンケートの一部は選択式の回答となっています。
保護犬の里親になろうと思ったきっかけは?
以前、飼っていた犬が15歳で亡くなった後、両親が保健所やペットショップなどへ行くと年齢が75歳であったことを理由に販売も譲渡もしてもらえませんでした。両親はそれでも保健所に名前を登録して待っていたようです。去年の11月に以前の飼い主が入院され、ご家族も犬の世話ができないため保健所に連れてこられた犬が現在の保護犬です。保健所から連絡があり、10歳の成犬であれば譲渡が可能だと言われ、逢いに行き余生を我が家で過ごしてもらおうと決心したそうです。
どこから保護犬の譲渡を受けましたか?
動物愛護センター(保健所)
その譲渡元はどのように見つけましたか?
高齢の両親は保健所しか思いつかなかったようです
その譲渡元を選んだ理由は?
保健所しか知らなかったから
複数の譲渡元を検討しましたか?
いいえ
その子にした理由は?
自分たちが連れて帰らなければ、殺処分になるかもしれないと思ったから。年齢も10歳ということもあり、最後のご奉公だと思ったと(両親談)
何匹かのワンちゃんを同時に検討しましたか?
いいえ
里親になるまでに何度申し込みをしましたか?
1度のみ
里親申し込みで大変だったことは何かありますか?
年齢
里親申し込みで何か気をつけたことはありますか?
特になかった
お迎えするときに準備したこと、気をつけたことはありますか?
犬用サークル、ベッド、餌やペットシーツなど
譲渡当時のワンちゃんについて
迎えた際の年齢は?
約10歳
迎えた際の健康状態は?
やや健康に問題あり
具体的にはどのような病状がありましたか?
吠えても声が出ないように声帯を手術されていた
譲渡元での、メディカルチェックの有無
保健所なので詳細は不明
ワンちゃんのそれまでの環境はご存知ですか?
あまり知らない
ワンちゃんがご自宅にたどり着くまでの経緯
以前の飼い主の方は高齢の女性だったと聞いています。ご自身が病気になり入院をしなくてはならなくなったこと、ご家族にも病気があり犬の世話もできないので保健所に持ち込まれたと聞いています。その後、保健所で両親が名前を登録していたこと、希望犬種にダックスフントと記入していたことから、見にこないか、と保健所の担当者から連絡があったとのこと。
お迎え後について
思ったより楽だったことは?
最近までは大変だったようです。
逆に、思ったより大変だったり悩んだことは?
以前の飼い主との関係性がわからないのですが、両親が新聞を持ち上げただけで唸ったり、噛みついたりしていたようです。それから、排尿がペットシーツにできず、あちこちで放尿をする、マウンティングが止まらないなど問題行動が多く、動物病院で相談し去勢手術をしました。その後、放尿とマウンティング行動は少しずつ落ち着いてきました。しかし、噛みつくことが続き、父は手が蜂窩織炎になり大変なことになりました。動物病院では、①保健所に返す、②お金を出して保護団体へ預ける、③歯を削る という選択肢があると説明を受けていました。私たちは、両親も高齢だったので「保健所に返す」か「保護団体へ預ける」ことを両親に話しましたが、「自分たちが面倒を見ると言って保健所からお迎えしたから、なんとか頑張って良い子になるように世話をする」と③を選択していました。高齢でもあり、躾直しもほぼ無理の状態だったので、本当に大変そうでした。
聞いていた健康状態以外の問題が起こりましたか?
放尿、マウンティング、噛み癖、糞食
最も苦労したしつけがあれば教えてください。
マウンティング、噛み癖
迎え入れて、嬉しかったことは?
とにかく、犬がいることで会話が増えることだったようです。
お迎え後、愛犬はどのように変化しましたか?
まだ半年ですが、だいぶ良い子になったようです。問題行動も減ってきました。父が帰ってくると、父にべったりで膝の上から動かないようです。
迎え入れたことで、家庭にどのような変化がありましたか?
両親が楽しそうに過ごしていました。
振り返って
今、元保護犬の愛犬はどういう存在ですか?
私の父はこの春、肺に進行ガンが見つかりました。悪性度の高い癌なので、後、どのくらい元気でいられるか難しくなりました。コロナ禍で関東に住んでいる私たちは両親に会うことができません。流行感染地域からの人物である私たちが両親の自宅に入ると、両親共に濃厚接触者(疑)扱いとなり、父は治療のために入院することができなくなります。もちろん、母も入院している父の面会に行くこともできなくなります。そのような状況ですので、父にとっては子供以上の存在、母にとっては父が入院中の心の支えと話相手になっているようです。
今だから思える、譲渡に関して、もっとこうしておけば良かったと思っていること。
以前の飼い主の飼育状況や犬の癖などを丁寧に確認する必要があると思う
里親になることを希望されている方へのアドバイスやメッセージ
生半可な覚悟では里親は務まりません。
最後に、愛犬に言ってあげたいことがあれば、お願いします!
ありがとう
高齢で噛み癖があるなか殺処分を逃れ、自分の居場所を再びもてた福くん。また大切なご家族との別れを経験するかもと思うと胸が締め付けられるワンけど、最初は噛み付いていたお父さんにべったりになり、共に人生の後半戦で慈しみ合う時間はかけがえがないものと想像するワン。yakumoさま、貴重なお話をありがとうだワン!