ペットの母子手帳「うちの子手帳」できました!

おうちを見よう!〜犬たちを助けるシンプルなルール〜

きなこ先生

保護犬の中でも特に多い、繁殖引退犬たち。
子犬を買うときに親犬の「おうち」と「おくち」をみることが大切ワン。どういうことか説明するワン!

「どんぐり」「リマ」「マルコ」「こまち」と今はそれぞれ名前を持つワンちゃんがいます。

甘えん坊だったり、目がくりっとしていたり、癒し系だったり、明るく真っ直ぐだったり、それぞれが言い出したらキリがないほどの魅力と個性に溢れていて、今は各家庭で幸せに過ごしています。

でも、それはごく最近の話。

生まれてからの5、6年間は、ずっと名前もなく、十分に散歩もされず、販売用の子犬を産む為に狭いケージで生かされていた繁殖犬でした。

4匹はみな、「パピーミル」と呼ばれる子犬を商品として大量生産する場所で繁殖業者によって、「子犬をつくる道具」として使われその間に健康を失い、数年後に放棄されています。

親犬を使い捨てるような繁殖業者にいた子たちはその健康状態から、狭く不潔な檻の中で糞尿や汚れにまみれた状態で飼われたり、無理な繁殖をさせられている可能性が高いです。

吠え声を減らすために声帯を潰したりする業者もいます(どんぐりくん、マルコくんは声帯が切られていました)。

どんなに健康な子でも、狭いケージで運動もさせてもらえずに何年もいると、骨が曲がったり、歯は溶けてしまったりします。でも、治療を受けられるわけではありません。商品となる子供さえ健康だったらいいからです。

何年も繁殖させられた犬たちを保護団体などが保護しても、また新しく、別の健康な子犬が繁殖犬になって閉じ込められていくのです。

不幸な繁殖犬たちは誰のせい?

なぜそんなことをするのかというと、店頭に可愛い子犬だけを並べて販売している為です。

親犬がどんなに酷い環境で健康を失っていても、それを知らない人は、目の前の子犬や子猫さえ可愛ければ喜んで買っていきます。

買う側が、親犬たちのことを気にしないので、業者は親犬には出来るだけコストをかけないように繁殖だけさせます。

消費者は動物好きでありながら、巧みなビジネスの裏にある現実を知らないため、悪質な繁殖業者と仲介業者にお金を渡して応援していることになっているのかもしれません。

その資金で、親犬らを虐待しているビジネスは拡大し、また新たに子犬の生体販売をするペットショップが増えていくのです。

もし、1人の人間が動物に酷いことをしていたら、それは残酷だと非難される。
しかし、たくさんの人間によってたくさんの動物たちがひどい目に遭っていても、
特にビジネスの名の下では、残酷さは容認され、
お金が絡むと、普段は聡明な人が、最後までその残酷さを許してしまう。

ルース・ハリソン(イギリス)
きなこ先生

最近は生体販売をしないペットショップさんも出てきたワンよ。

子犬たちの命も・・・

日本では、競り市などで仕入れられた子犬たちが、全国のお店で販売されるために輸送されますが、その過程で年間1万匹以上の子犬たちが亡くなっています
でも生き残った子達が、亡くなってしまった子の分も高値で販売されて利益が出るので、子犬を卸している繁殖業者や仲介しているオークション業者、子犬を仕入れいているペットショップらは良いビジネスだと考え、この構造を続けています。

※ 書籍「奴隷になった犬、そして猫」参考

責任ある人たちがすること

お金さえ出せば誰でも買えるところで売るのは、子犬の安全を守る責任を放棄した無責任な繁殖業者の可能性が高いです。

通常、責任あるブリーダーは仲介を通した店頭では子犬を売りませんし、安易に輸送することもありません。

買い手は直接ブリーダーの家を訪ね、親犬と子犬が育った環境を見せてもらえますし、ブリーダーも大切な子犬の一生を預ける飼い主候補がどんな人なのか、直接会って確認します。

大切な家族となる「命」なので、そのバトンが来た場所や行く先に、買う側も売る側も丁寧に向き合うのが普通です。

きなこ先生

近年は、繁殖を担う親犬も子犬の時から面談で選ばれた家庭のペットとして生活し、繁殖の時だけ繁殖施設で暮らし、契約期間後は正式にその家の子になるというスタイルをとるブリーダーさんもいるワン。

具体的には「歯」を見ると、ワンちゃんたちの生活がわかります。
その繁殖業者が本当に犬のプロなのであれば、親犬に必要な食事や運動、ケアはされているはずで、歯が歯周病で溶けていたり歯石が酷かったりは当然しないはずです。

子犬を買う時は、おうち(親犬の実際の飼育環境)をみよう!

巧みなビジネスから犬を守るためには、消費者が賢くなるのが最も効果的です。

買う人がいなくてビジネスにならないと分かれば、それを売り続ける人はいなくなります。

子犬を飼うときには、親犬のおうちを見ること。

そして、親犬のおくちも確認すること。

大切にお世話されている親犬であれば、歯や口内環境は良いはずです。

子犬を飼う際は、親犬も大切にしているところから、買うようにしましょう。

もし、今飼っている愛犬は親犬を確認せずにペットショップで購入した子だとしても、そのことで自分を責める必要はありません(恥ずかしながら、私も現状を知ったのは最近です)。

それよりも、悪質な繁殖ビジネスをなくすために、一人でも多くの人に「(子犬を飼うときは)親犬の”おうち” と “おくち”を見よう!」と伝えてください。

それが何よりの力になりますし、みんなの愛する愛犬を産んだ親犬たちを助けることに繋がります。

きなこ先生

子犬を買う時は、親犬の「おうち」と「おくち」をみるワン!

幸福な体験で、不幸を作らないように

ペットを家庭に迎え入れることは、とても嬉しく幸せな体験です。

だからこそ、子犬を飼う際は、必ず親犬たちの実際の生活環境を見て、大切にされているかを直接自分の目で確認してからにしましょう。
(※別室や、写真で口頭での確認ではなく)

自分たちの幸せな決断が、他の犬たちの不幸を助長しないように・・・

きなこ先生

犬を飼う際には、保護犬を迎えるのも1つの方法ワン。
子犬ちゃんもいるし、成犬は大人になった時の体格や、性格が事前にわかってミスマッチを防ぎやすい面もあるワン。

みんなの一滴でできること

もしも、ペットショップの前で、目の前の子犬の可愛さに衝動的になったり、ブリーダーに会いに行くのは面倒だと思った時は、思い出してください。

自分たちが支払うお金で、誰がどんなことをするのを、応援しているのかということを。

そして、今購入しようとしている商品は「命」であり、必ず両親がいて、名前を持たない親犬たちにも等しく価値のある「命」があるということを。

マザーテレサの言葉を残します。

私たちがやっていることが大海の一滴にすぎないことは、知っています。
しかし、大海はその一滴分、減っているのです。

マザー・テレサ(インド)

自分という一滴を、
「わたし一人ぐらいはいいだろう」と、犬たちを苦しめ続ける方に垂らすのか、
「わたし一人だけでも」と、犬たちを助ける一滴となるかで、
私たちを幸せにしてくれているペットたちの未来が変わります。

親犬も大切にしているところからしか子犬は買わない」と皆が言えば、ビジネスもそのように変わっていくでしょう。

わたしたちの一滴一滴は、必ず流れとなり、川となり、やがて新しい海となるはずです。

最後に、

今もなおどこかのケージの中で体を動かせずに立ちすくしたまま時間を過ごしている、かつてのどんぐりくん、リマちゃん、マルコくん、こまちちゃんのように、まだ名前を持たない繁殖犬達を想いながら、

その子達と、今後その子たちの代わりに閉じ込められていく子たちに、一刻でも早く、みんなからの一滴が届くことを願って。

きなこ先生

なんでも汚したり傷つけたり非難するのは一瞬で簡単だけど、それを掃除したり治したりするのは何倍もの時間がかかるものだワン。
面倒かもしれないけど、それはたくさんの犬たちが助かるからだワン。
みんな、子犬を飼うときは親犬のおうちとおくちを直接見てほしいワン!

イラスト:Kotomi Sato

Kotomi Sato 
1997年生まれ。東京都在住。2020年より東京を拠点に活動。アーティスト向けのCDジャケット、やポスター、企業向けのインフォグラフィック、プロダンサー向けのリーフレットなどを中心に手掛ける。
また、今年よりアートにも力を入れ、京都や東京などでも個展を開催する。
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